2009年1月30日金曜日

今週の倫理 (597号)より 活力朝礼がやる気集団をつくる

平成21年度の倫理経営講演会が、1月5日の東京都巣鴨倫理法人会を皮切りに全国591の単会で始まりました。
本年度は、メインテーマ「日本創生の心」に、サブテーマ「ここに倫理がある」と「朝礼が企業を変える」を掲げ、いずれかを主催者が選択して行なうことになっています。

この後者で言う朝礼は、一日を元気よくスタートさせるためのものであるところから「活力朝礼」と呼んでいます。朝礼を導入することによって企業が変わっていくことは、すでに多くの企業が体感していることでしょう。ここで改めて、朝礼導入時の迷いを払拭するために、長野県岡谷市の「アポロ歯科医院(院長・宮坂伸氏)」の事例を紹介しましょう。

昭和53年8月に開業した同医院が、倫理法人会に入会したのは平成10年のことでした。『職場の教養』を用いた活力朝礼を、その翌年から開始しました。

同医院では、朝礼自体は開業時から実施していましたが、当時の朝礼は他人に語れるようなものではありませんでした。待合室にいる患者さんに聞かれないように、奥の技工室で戸を閉めて、小声でその日の連絡事項を伝えるだけのものでした。院長挨拶もスタッフのアラ探しや小言が多く、参加者の誰もがその長い話にうんざりしていました。何とか良い話を聞かせたいと、宮坂氏はネタ本を買い求めて勉強したものの、活力朝礼とは程遠いものでした。

何とかしなければと思い悩んでいた頃、先輩から勧められ倫理法人会に入会。同時に『職場の教養』が送られてきましたが、半年もの間、封も切らずに放置しているという不良会員でした。

活力朝礼の導入にあたり心配だったのは、スタッフの大半が20歳代の女性であったこと。皆の顔色を窺いながら同意を求めたところ、「大きな声を出すのが恥ずかしい」と言われた程度で、大きな抵抗もなく受け入れてくれたのです。

導入してよかったことは、①院長の挨拶が自信を持ってできるようになった②院長がスタッフのアラ探しをしなくなった③『職場の教養』の活用によって、スタッフ間の意志の疎通が図れるようになった④大きな声を出すことで以前にも増して明るい笑顔で朝礼ができるようになった、などでした。職場朝礼とは、このように紆余曲折を経ながら確実なものになっていくのです。

では活力朝礼の意義とは、どのようなものでしょうか。それは①スタートを合わせる(方針の徹底)②モチベーションを高める(士気の高揚)③コミュニケーションを深める(チームワークの向上)④マナーを磨く(基本動作の習得)にあります。

「朝礼は一将の影」とも言われるように、各社各様の朝礼が実施されて然るべきです。それぞれの企業の経営理念に即した朝礼が実施できるよう、創意工夫をしつつ「やる気集団」づくりを実現していきましょう。

2009年1月27日火曜日

1月27日 モーニングセミナー 「倫理経営のすすめ~経営者の不安や悩みを一掃する」




昨晩と本朝、あわせて倫理研究所齋藤隆己様より二日間純粋倫理の七つの原理と万人幸福の栞との関連性をお教えいただきました。











2009年1月23日金曜日

今週の倫理(596号より) 日本創生へ向けて仲間づくりを急ごう

昭和五十五年十月に千葉県で第一号が誕生した倫理法人会は現在、600ヶ所に上っています。会員数も平成19年8月には5万社を超えるに至りました。

これはひとえに、全国の倫理法人会の幹部役員をはじめとする倫友の皆様の熱心な仲間づくりのおかげであり、改めて永年にわたるご尽力に対して深く敬意と感謝の意を表したいと思います。
 ところで、平成19年11月に開催された5万社達成記念大会で声高らかに宣言された『2010年10万社達成!』の勢いに、このところ少なからず陰りが見えます。

 終戦からわずか半月ほど経った昭和20年9月3日に、焦土と化した日本に、『再建』ののろしを上げて創始された倫理運動、そして今日改めて『日本創生』を旗印にして推し進められている倫理法人会活動は今、決してスピードを緩めてはならないのです。いや、むしろもっと急がねばならないということを、声を大にして訴えたいのです。

 日本の現況、そしてこれからの国づくりを考えるとき、未だ倫理経営の醍醐味を知らず、未曾有の不況の中で、もがき、苦しむ全国の企業経営者に、一日も早く純粋倫理を伝え、明るく活力溢れる職場づくりと繁栄する企業づくりに邁進できるきっかけやチャンスを与えてあげることは、すでに倫理を知って安定した経営を実現し、またモーニングセミナーなどで学んだ原理原則を心の支えにして経営できる倫理法人会会員としての大きな喜びとなるからです。

 自分が為したことで他人が喜んでくれたとしたなら、これは何物にも変えられない最高の喜びであるはずです。また日頃、ひとに喜びを与えていると、めぐりめぐって自分を喜ばせてくれる何かが必ずや起きてくるものです。もちろん見返りをあてにするような心があってはなりません。

 まさに「情けは人のためならず」なのです。とくに、経営者に純粋倫理を伝え、倫理経営を実践していただくことは、社員にとっても仕入先にとっても、もちろんお客様にもよいことです。それが社会全体に大きな発展と幸福をもたらすことは言うまでもなく、これ以上大きな働きはないと言えるのではないでしょうか。

 いまや日本は、自社だけでなく他社の安定と繁栄を願い、共尊共栄の産業社会の確立をめざす経営者が一人でも多くなることが求められているのです。倫理法人会はそのような理想社会の実現をめざしていますが、このことがまさに、自分の会社が安心して真心こめて努力した分だけ、報われる社会の実現につながっていくのです。

 そこで、いま私たちに出来ること、そしていま私たちがしなければならないことは、一刻も早く、倫理法人会の存在を全国にアピールし、一社でも多くの企業、一人でも多くの経営者に倫理法人会に入会していただくことです。連帯して倫理経営を実践し『日本創生』という夢を実現していくためにも、一日でも一分でも早く私たちの仲間になっていただくことを、日々心していきたいものです。

2009年1月21日水曜日

1月20日 モーニングセミナー 「政治に求められるものはなにか」



三橋副会長、朝のあいさつです。

ノーベル経済学賞を受賞したプリンストン大学のダニエル・カーネマン教授は「プロスペクト理論」のなかでこう提唱している。

これまでは合理的で理性に基づく経済理論が多かったが、「経済は感情で動く。」
ケインズやアダムスミスも一部同じようなことを言っていたが、この理論の中で経済は大衆心理によって大きく動くものであることに光をあてている。

今、まさにこの不況は大衆の恐怖心で動いてはいないだろうか?
大きく報道されていることは、これまででも実際にあったことであるし、大きく変化した実態というものは数パーセントではないだろうか?

それを過大な報道によってあおるマスコミやこうした心理的に落ち込んでいるときに消費税の増税を盛り込むといった間の悪い政策が、マイナスの大衆心理を加速させているのではないだろうか?

私たちの祖先は第二次世界大戦の焼け野原から立ち上がってきて今日の日本を作ってきた。こうしたDNAはこの程度の不況などは屁でもないはず。
つまらない心理作戦に惑わされることなくがんばっていきましょう。



本日のMS、テーマは「政治に求められるものは何か?」です。

講話者は現参議院議員、水戸まさし氏です。

泉区から選出されている水戸まさし氏は、当中央倫理法人会へのモーニングセミナーに2ヶ月に一回程度参加していただいております。

本日は、水戸氏は積極的に動いているエネルギー問題についてお話しいただきました。

日本のエネルギーの有効活用はあまり進んでいません。
現在の供給量は、石油換算にして約6億トン、これに対して純粋にエネルギーとして取り出せるものが石油換算では3億トン、つまり半分しか利用されません。

後の半分は廃棄(廃エネルギー)となってしまっています。

これをジャガイモに言い換えると、ジャガイモの皮をむくとき、下手な包丁さばきでは半分くらいが皮と一緒に捨てられてしまい、中身の小さなジャガイモだけが食用になるわけです。

しかしながら、私たちの生活の中でジャガイモの皮をそんなに厚くむく人はいません。できるだけ薄くむくことができるか、できることなら皮ごと食用にしようという動きになるはずです。

大量の石油を燃やし、大型タービンを回して電気を作る際には多大な熱エネルギーが排出されます。
液化天然ガスを作る時にも、大量のエネルギーを使った冷熱処理を行わなければならないため、こうした廃エネルギーは海水で冷やすなど、再利用されることなくそのまま廃棄されていることが多かった。

この高温(低温)な熱を蓄熱技術を高度化し再利用できないか?
地域エネルギーとして再利用できないか?

こうした研究を有識者など交えて取り組んでいるという講話でした。

1月20日横浜市中央MS「政治に求められるものはなにか?」



三橋副会長



本朝は三橋副会長のあいさつからです。



ノーベル経済学賞を受賞したプリンストン大学のダニエル・カーネマン教授は「プロスペクト理論」のなかでこう提唱している。



「経済は感情で動く。」

ケインズやアダムスミスも一部同じようなことを言っていたが、この理論の中で経済は大衆心理によって大きく動くものであることに光をあてている。



今、まさにこの不況は大衆の恐怖心で動いてはいないだろうか?

過大な報道によってあおるマスコミやこうした心理的に落ち込んでいるときに消費税の増税を盛り込むといった間の悪い政策が、マイナスの大衆心理を加速させているのではないだろうか?



私たちの祖先は第二次世界大戦の焼け野原から立ち上がってきて今日の日本を作ってきた。こうしたDNAはこの程度の不況などは屁でもないはず。

つまらない心理作戦に惑わされることなくがんばっていきましょう。







水戸まさし氏



本日のMS、テーマは「政治に求められるものは何か?」です。



講話者は現参議院議員、水戸まさし氏です。



泉区から選出されている水戸まさし氏は、当中央倫理法人会へのモーニングセミナーに2ヶ月に一回程度参加していただいております。



本日は、水戸氏は積極的に動いているエネルギー問題についてお話しいただきました。



日本のエネルギーの有効活用はあまり進んでいません。

現在の供給量は、石油換算にして約6億トン、これに対して純粋にエネルギーとして取り出せるものが石油換算では3億トン、つまり半分しか利用されません。



後の半分は廃棄(廃エネルギー)となってしまっています。



これをジャガイモに言い換えると、ジャガイモの皮をむくとき、下手な包丁さばきでは半分くらいが皮と一緒に捨てられてしまい、中身の小さなジャガイモだけが食用になるわけです。



しかしながら、私たちの生活の中でジャガイモの皮をそんなに厚くむく人はいません。できるだけ薄くむくことができるか、できることなら皮ごと食用にしようという動きになるはずです。



大量の石油を燃やし、大型タービンを回して電気を作る際には多大な熱エネルギーが排出されます。

液化天然ガスを作る時にも、大量のエネルギーを使った冷熱処理を行わなければならないため、こうした廃エネルギーは海水で冷やすなど、再利用されることなくそのまま廃棄されていることが多かった。



この高温(低温)な熱を蓄熱技術を高度化し再利用できないか?

地域エネルギーとして再利用できないか?



こうした研究を有識者など交えて取り組んでいるという講話でした。


2009年1月16日金曜日

今週の倫理 (595号)より 人生は出会いに生き、出会いに心動かす

人生は出会いの連続です。人や物との出会いをはじめ、さまざまな出会いがあります。出会いを通してこそ、人は大きく成長します。

まずは、「わが社は何のために仕事をするのか」という使命を再確認し、トップ自らが良い出会いを求めて、自分自身を磨き高めていきましょう。環境がどのように変化しても、自ら行動し、経営努力を重ねて会社を永続させていかねばなりません。そのためには、企業の基軸を明確にしていくことです。

経営の「経」とは、容易に変えられない、動かないタテ軸を求め、それに根ざすことである。タテ軸とは「道」とか「理」すなわち時代が移っても変わらない原理原則、あるいは経営の理念や基本方針を指す。迷って方向を失った時には、戻るべき原点でもある。
(『倫理経営原典』丸山敏秋編著)


変革に向けた方針を示すものが「経営戦略」です。経営戦略とは、経営ビジョンをどのようにして実現するのか、どのようなフィールドで、何を武器やツールにして、どのように戦うのか、等を具体的に示したものです。「経」と「営」の双方が噛み合ってこそ、はじめて経営となります。基本になるこの仕組みをしっかり見直す。そののち実践に徹して発展させていくのです。

人は、ものの見方や考え方が土台となって、物事に対する取り組み方が生まれてきます。心の持ち方が行動や態度に現われ、それが多くの人々との出会いや関わり合いにつながります。人は人と出会い成長するのです。対者照応と言われるように、自分自身が照らした通りに周囲が応じてくれるのです。自分自身がどのように人や周囲を照らすかが大事なのです。   

A氏は、日頃から小さなことや些細なことに目を配り、心を配ってきました。自らの手でゴミ一つでもサッと拾う。汚れている床は雑巾できれいに拭き取る。机や椅子が曲がっていたら真っ直ぐに直す。すると、今までまったく気づかなかったことに気がつくようになってきたのです。

 小さなことは、今日と明日では大きな変化は見られません。しかし、その小さなことを積み重ねていくと、明らかに変わっていくのです。自分でも予想もしない大きな力が育ってくるのです。そして、日々の出会いが新たな「変化」と「チャンス」をもたらす大きな原動力となっていきます。

また、人間関係が生じるところには、必ず感動の場面があります。出会いにより感動を自分で見いだしていき、ものごとに素直に感動する気持ちが豊かな発想を育むことが大切です。「人は出会いのために生きている」といっても過言ではありません。出会いによって、感動の人生を送ることができるのです。

経営者やリーダーたる者、よりよい出会いを各方面に求めて、頭と手と足を使い、さらに身を低くして一生懸命に取り組んでいきましょう。出会った大切な人との縁をより深く豊かに育んでいくためにも、純粋倫理の学びと実践を通じて感動と感謝を分け合っていくことを願いつつ、今年も多くの仲間と出会っていこうではありませんか。

1月13日横浜市中央MS「食品添加物について」



本日は崎陽軒監査役の宮内昭氏の講話、「食品添加物について」です。



マルかバツかの話ではなく、冷静になって知ることが大事である。



普通の食事をしている限り、食品添加物によって健康を損なうといった危険はきわめて少ない。限りになくゼロに近い。



なぜ食品添加物は不安があるのだろう?







毎日新聞によると、家庭に関する記事を書かれる人が、こう述べている。



「質の低い健康番組が生じるメカニズムはテレビのディレクタなど、記者たちを含めた画一的な思考にある。視聴者の感情をあおったりする格好の材料が食品添加物である。食品添加物を摂取すると何か身体に悪いことが起きると頭から信じている。科学的な論文や文献を読んで添加物が危ないと認識しているわけではない。この人たちの精神構造は理屈ではない。添加物イコール危険という固定概念を彼らはテレビ局などに入社する前から抱いている。学校などでも食品添加物は危険だと教えられ、親もその通り教えられるので庶民的な感覚、固定概念がある限り、ある添加物を摂取すれば腸内の細菌がすべて死んでしまうなどといわれれば検証することもナシに、そのまま信じてしまう。」



報道に携わるものがこうした妄信的、庶民的感覚で報道をすれば、科学的な根拠のない話が横行してしまう。



食品添加物の安全性は数多くの実験結果や厳しい規定、使用量の規制など何十にも安全性を担保する仕組みになっており、今日の現代社会にはなくてはならないものである。



ただ、行政側もこの食品添加物についての安全性を広く知らせる努力が足りていないという点は問題である。



そこで、宮内氏は「今ならインターネットで正しい情報を取得することも可能であるから、横浜市衛生研究所のサイトを見るなどして、自分の気になる食品添加物を調べてみるのをお勧めする。」とお話しされました。



PS



県のMS報告ブログも公開されたようなので、マルチポストさせていただきました。



宮内昭氏

2009年1月14日水曜日

1月13日 モーニングセミナー 「食品添加物について」


本日は崎陽軒監査役の宮内昭氏の講話、「食品添加物について」です。

マルかバツかの話ではなく、冷静になって知ることが大事である。

普通の食事をしている限り、食品添加物によって健康を損なうといった危険はきわめて少ない。限りになくゼロに近い。

なぜ食品添加物は不安があるのだろう?

毎日新聞によると、家庭に関する記事を書かれる人が、こう述べている。

「質の低い健康番組が生じるメカニズムはテレビのディレクタなど、記者たちを含めた画一的な思考にある。視聴者の感情をあおったりする格好の材料が食品添加物である。食品添加物を摂取すると何か身体に悪いことが起きると頭から信じている。科学的な論文や文献を読んで添加物が危ないと認識しているわけではない。この人たちの精神構造は理屈ではない。添加物イコール危険という固定概念を彼らはテレビ局などに入社する前から抱いている。学校などでも食品添加物は危険だと教えられ、親もその通り教えられるので庶民的な感覚、固定概念がある限り、ある添加物を摂取すれば腸内の細菌がすべて死んでしまうなどといわれれば検証することもナシに、そのまま信じてしまう。」

報道に携わるものがこうした妄信的、庶民的感覚で報道をすれば、科学的な根拠のない話が横行してしまう。

食品添加物の安全性は数多くの実験結果や厳しい規定、使用量の規制など何十にも安全性を担保する仕組みになっており、今日の現代社会にはなくてはならないものである。

ただ、行政側もこの食品添加物についての安全性を広く知らせる努力が足りていないという点は問題である。

そこで、宮内氏は「今ならインターネットで正しい情報を取得することも可能であるから、横浜市衛生研究所のサイトを見るなどして、自分の気になる食品添加物を調べてみるのをお勧めする。」とお話しされました。

2009年1月9日金曜日

今週の倫理 (594号)より 六分の三のコロッケ

経営コンサルタントのО氏が駆け出しの頃、顧問先の社長より「今晩うちの店に、売れっ子のE氏が来店されますので、時間がありましたらお越しくださいませんか」と電話が入りました。

О氏は時の人であるE氏に関心があったため、二つ返事で出席する旨を伝え、約束の時間に訪ねていきました。顧問先の中華料理店の一室に、E氏とその秘書を交えた六名で丸テーブルを囲み、夕食会が始まりました。当日のゲストであるE氏を中心に料理が出されます。

まずE氏が箸をとり、時計回りに料理が動いていきます。何品目かに、カニの爪のコロッケが出てきました。白い皿に六個のコロッケが盛り付けられています。E氏は素早く箸を向け、三個のコロッケを自分の皿に移しました。その瞬間、言葉にならない空気が室内を覆ったのです。誰が見ても「ひとり一個」の割り当てです。
テーブル上の皿には三個のコロッケ、取り手はまだ五人も残っています。E氏の隣の秘書は困惑してしまい、箸がなかなか出ません。
他の人もいったい誰が残りのコロッケに手を出すか、興味津々の状態でした。
О氏は三個のコロッケを自分ひとりで取ったE氏の行為を目にして、〈この男は計画能力があるのだろうか〉と、その頭の構造を疑い、同時に〈何と自分勝手でわがままな人間なのだろう〉と猛烈に腹が立ち、〈噂どおりの人物だな〉と思ったのです。

当時世間では、E氏の言動について〈若いのに横柄で、業界のルールを無視し、傍若無人に振舞っている〉などと取り沙汰されていたのです。

しかし、しばらくするとO氏は、「さすがにこの人物はスケールが大きいな」と感心したのです。常識的に考えれば、誰が見てもひとり一個のコロッケということは明確です。おそらくE氏もそれはわかっていたはずです。それでも自分が好きなものであったため、思い切った行動に出たのです。
たしかに常識的な立ち居振る舞いは大切です。自分ひとりで生きているのではないのですから、互いに相手の立場を尊重して、その場の空気を読みながら事を進めることは当然ながら必要です。しかし、時にはそのバランスを突き崩す勇気も必要なのです。

未曾有の金融不況の真っ只中にある現在、今までと同じ考えや手法で乗り切っていくことはできないと、経営者であれば誰しも感じているはずです。しかし変革しようとしても、一歩を踏み出す勇気を持てない、変わったことを始めると周りから中傷されるのではないか、失敗したら叩かれるのではないかという、後ろ向きの状態にあるのではないでしょうか。先行きに不安を感じつつも、今までの枠組みの中に安住を求めているのが、多くの経営者の姿でしょう。

今まで正しいと信じていたこと、これ以外に方法がないと思い込んでいたことを、あらゆる角度から調査し検討し直す時なのかもしれません。
生き残りをかけて一歩踏み出すことから、新しい道が拓けていくのです。

2009年1月6日火曜日

1月6日 モーニングセミナー 「新年式」

本日のMSは新年式として、酒井相談役が倫理研究所丸山敏秋理事長の年頭の挨拶を代読していただきました。

また、倫友全員が演壇で今年の決意発表を述べていただきました。

会長 数多く顔を合わせる機会が増えるように努力したい。

堂脇氏 倫理の朝礼大会に今年も参加する。体調を整える。

佐藤氏 変化には変化を。ピンチはチャンス。という気概で明るくすごす。

善竹氏 元気に多くのMSで講話をする。

守田氏 自分の言葉に責任を持つ。稲森氏の「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に行動する。」を実践する。

後藤氏 楽観的に明るく過ごす。

小倉氏 役員会にも積極的に参加する。根を張り実践できる年にする。

三橋氏 自らやることを増やし、山本五十六の「やってみて。。」の部分を実践する。

高橋氏 「忍」耐える。

前嶋氏 新事業を立ち上げる。フルマラソンに出場する。家族との対話を増やす。期末までに70社を達成する。

萩野氏 モノの整理をする。読書をする。

田村氏 副会長として会長をささえる。

卯柳氏 常に前向きに行動し、100年に一度のチャンスとする。

浜田氏 身体を動かす。

酒井氏 会員増強、100社にむけて努力する。近眼、単眼をやめ、これまで見えなかったモノに目を向ける。

鵜飼氏 「希望は心の太陽」とのくだり通り、希望を持ってすごす。

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各自の決意を胸に一年がんばっていきたい。
そう思えるモーニングセミナーでした。

2009年1月2日金曜日

会員サイトURLの変更

会員の守田コンサルティング事務所様のURLが変更になりました。

新URLはこちら

ブログ「我思う・・・」も始められているようですので、ぜひとも覗いてみてください。

今週の倫理 (593号)より 「今日を確かに生き充実した人生を築く」

新年明けましておめでとうございます。本年も皆様のご多幸を心よりお祈り申し上げますとともに、当欄の変わらぬご愛顧をよろしくお願い申し上げます。

Mさんの父が二十年前にこの世を去ったとき、財産贈与の問題が発生しました。
家屋敷を長兄が引き継ぐために、他の兄弟が財産放棄の書類に判を押すか押さないかという問題でした。

Nさんは三人兄弟でありながら、母親が亡くなったあと、財産分与の問題で紛糾。以来、近くに住んでいながら行き来することなく、不仲の状態が続いています。このような事例は枚挙に暇がなく、親が財産を多く残し、その分与について明らかにしていなかったために、子どもたちの間で激しく争い裁判になった例も多く、それでもなかなか決着がつかずにいるという家が非常に多いのです。

Mさんもある時、夫人から「家の後始末をキッチリしておいてください」と言われことがきっかけで、家の財産目録を作成しました。子どもたちへの「遺言状」をしたため、順次整理していくことにしました。二男であるMさんは自身の墓地をも求め、残る人生を意義あるものにするために、人生の後始末とはいかなるものかを考えるようになりました。
日頃から多忙を極める経営者の周辺には、家のことはもちろん、会社の継承の問題から経営全般にわたる種々の問題が山積しており、後始末すべき事柄も多岐にわたるものと思われます。そのような意味からも、自分にとっての人生の後始末とは如何なるものかを考える時間を持つ必要があるでしょう。

人生八十年、日数にして二九二二〇日。人生という時間は誰であろうと年々少なくなっていくことを考えると、日々を無駄に費やすことは許されません。〈人生を意義あるものとするにはどうしたらいいのか〉〈後世を生きる子どもや後継者たちが、仲良く、よりよく生きるにはどうしたらいいのか〉ということを考えるのは、おおいに意義あることでしょう。

子どもたちが、将来にわたって仲良く生きていくための設計図を考えられるようお膳立てをすることも、先を生きる人間の役目といえます。人生まだまだ先があるなどと思わずに、自身を含めた家族みなが日々充実した人生を生き抜くためにも、新年のスタートにあたり〈自分にとっての人生の後始末とはいかなるものか〉を真剣に考えてみるのもひとつです。
世に「晩節を汚(けが)すな」という言葉があります。人生の初めは節操を保つのは簡単ですが、晩年になると信念を守っていくことが難しくなるものです。せっかく築き上げてきた成果を、人生の最後に道を踏み誤ったために失ってしまうほど、馬鹿げた生き方はありません。目指すは、「有終の美」を飾ることです。人生の後始末を考えて生き抜くことです。そのためにも、日頃から学んでいる純粋倫理の教えを、自分のものとして活かしていかなければなりません。

物の整理は心の整理、心の整理は物の整理につながることをしっかりと胸に留めておきたいものです。今日一日を確かに生き抜くことが、人生のよき先達として範を示せるような生き方につながるのです。

元旦があれば、必ず大晦日はやってきます。人生の大晦日を間違いなく締めくくれるよう、新年にあたり心したいものです。