2010年7月6日火曜日

7月6日MS 「心が一流なら、必ず技術も一流になる」@横浜中央


今回の講師は高級注文家具メーカーの秋元木工代表の秋元利輝氏、67歳。6人兄弟の8人家族。家が貧乏で勉強も全くできなかったという。でもそれがかえって良かったとのこと。故松下幸之助氏を髣髴させるお方だ。
手先が器用で自家の修繕も小学校4年のときから自分の役目になっていたし、近所の人からは大工仕事を頼まれるようになっていたという。

中学校を出ると1年間の訓練校を経て木工所で丁稚奉公をした。最初の3年間は使い走りだけを続けた。食事の用意まで何でもさせられたが、主な仕事は職人の作った家具を注文主まで届ける仕事だ。200kgをもリヤカーに積んで、10km先まで一日3回も納品することがあったという。
丁稚奉公を卒業し6年目からは晴れて一人前の職人となり、勤め先の職人の中で1番になると、より上を目指し転職した。その都度一から始め(給料10万円→2.5万円/月)、最後に勤めた大手デパートの木工部門では職人150人のトップ成績となり退職し、27歳のときに独立したという。常に頭にあるのは質で日本一になるということで、それまで儲けてきた金もすべてを大工道具の買い揃えなどに費やしてきたため、貯えはなかったという。

「女子大生が家具職人に」のタイトルで、10倍の入社試験で採用された10人のうち、ただ一人大卒の女性が本採用されるまでを中心にしたビデオ上映がなされた。4年間住み込みの現代の丁稚奉公を課している稀有な会社で、叱られどおしで泣きながらも挫けず頑張る職人志望の女性の一日一日を綴るビデオだ。
1週間の試用期間を経て、一人前の職人になるぞという覚悟を決める丸刈りになる儀式で、彼女が晴れ晴れとした表情をしているのが印象的だった。

人情に厚く人間性を重視する講師のお話に、現在欠けている大切なものを気づかせていただきました。

事務長 萩野宏樹

秋山社長執筆の書籍、「丁稚のすすめ」をサイドバーに追加しました。聞き漏らした方やもう一歩深く学んでみたい方はぜひご一読下さい。

専任幹事 後藤長重

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